神霊狩で二次創作してみよう 3
題名:びきたん
『神霊狩/GHOST HOUND』の二次創作小説
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「あ、びきたんばい!」
学校の帰り道、太郎が自転車を押す手を止めたかと思うと、いきなり叫んだ。
「びき……たん?」
なんだそれは。
「あれっちゃ……、ほんなこつ、びきたんばいね」
道男が駆け出しあぜ道の脇にしゃがみこむ。太郎も慌てたようすで自転車を止めて一緒になって何かを覗き込んだ。
「最近ちゃ、ぬっかなってきたばってん目ば覚ましよったごたる」
「そうったいねー」
太郎はしみじみとした口調で頷くと、道男と『それ』をじっと見ている。だが俺の位置からだとそれは見えない。
「なあ、なんかいるわけ?」
俺からすると得体がしれない。二人がなにを真剣に観察しているのかさっぱり分からなかった。
「びきたんがおったとよ。こんびきたん、ふとかー。こげんふとかびきたんもおらんちゃなかね」
道男は満面の笑みで返してくる。
「……だから、その『びきたん』っていうのはなんなわけ? やたら可愛らしい呼び名みたいだけど」
「ああ、匡幸は知らんごたるね。びきたんっち蛙んこつばい。こん辺りっちゃ、蛙ば『びきたん』っち言うったい」
ほら、と太郎が蛙をつかんでご丁寧に俺の顔の目の前に持ってきた。
「なるほど……」
思わず一歩、後ずさってしまった。
「びきたん、かわいかー」
道男は太郎から蛙を譲り受けると、喉の辺りを撫でてやっている。
手のひらほどの大きさはあろうかという蛙を。
「びきたんこつ、すいとー」
そう言うと、道男はなごりおしげに蛙を田んぼにそっと逃がしてやった。蛙はそのまま田んぼの水の中をすいと泳いでいき、草の影に見えなくなってしまった。
「水筒……」
俺が呟くと、道男が俺を見上げて目を輝かせた。
「匡幸もびきたんすいとーと? びきたん、かわいかけんね。しかたなかね」
好きって言うことか。
「いや、俺はどっちかっていうと……それほど好きじゃないかも」
「なーん? そげんね。匡幸もそのうち分かるばってん。びきたんの魅力……」
道男はあからさまにがっかりしたようすで田んぼを見やった。
そういえば道男の家に遊びに行ったとき、緑色のカエル柄――というよりカエルの着ぐるみ――のパジャマがこいつの部屋にあったことを俺はふと思い出していた。
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コメント:筑後弁(久留米弁)ベースの方言の勉強のために書いてみました。そういえば匡幸視点のSSばかりになってきました。
2008年03月13日 神霊狩 トラックバック:0 コメント:0
神霊狩で二次創作してみよう 2
今期で一番に楽しく視聴しているアニメは「神霊狩」です。舞台は福岡県の架空の町。方言は久留米弁(筑後弁)が使われています。とても大好きなので二次創作をしたいのですが、なかなかこれが方言が難しく上手く書けません。
キャストの一人である浅沼晋太郎さんが
久留米弁でブログを書いていらっしゃいました。頭の中で浅沼さんの声で再生されて、味があっていいなあと思いました。
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「あんね、匡幸。僕、ずっと思とったよ。信と、もっと仲良くなれんやろかち。そげんずっと考えとった」
太郎がふいに言った。
俺はなにを言い出すんだと、ほうけた顔をしていたかもしれない。
「へえ、太郎ってばそういうこと考えてたわけ?」
少し間が空いた気がしたが、そう返した。
「うん、ばってんが、きっかけがなんもなか。中学に入っても一言も口ばきいたこつがなかごつ、僕、気にしとった。匡幸が状況ば変えたごたる。匡幸が転校してきて、こげん仲良くなれち、楽しかち思うとる」
笑顔でさらっと言った。
俺が、ねえ。
「ま、太郎がそう思うならそれでもいいんじゃない?」
当の本人にはその自覚はないが、褒められているようで悪い気はしない。
「信、元気が出るとよかね。信は、さ……大神ばーちゃんが、亡くなりよったけん。それに……」
太郎の言葉が途切れる。
「だな。でも信のやつ、それほど気にしてるそぶりもなかったみたいだけど? 何も言わないしさ」
先日の信のばーさんの葬式を思い出す。
同じ屋根の下で暮らす唯一の肉親が死んだというのに信の顔からはとくにこれといった表情が読み取れなかった。もともとあいつはポーカーフェイスなところはあったが。
「うんにゃ、信は、思いつめたところがあったつね。なんも言わんと、……信は、自分からなんか言うこつなかろうもん」
めずらしく太郎が厳しい表情を見せた。
「そうだな。じゃあ帰りに信の家に寄ってみるか」
俺は頷いて、先に帰ってしまった信の顔をぼんやりと思い出していた。いつも一人でいたときの信の顔を。
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少し書いてみましたが、やっぱり二次創作が上手くいかないという。太郎がちょっと性格が変わってしまったかな。それにしても神霊狩は魅力的なアニメです。
2008年02月21日 神霊狩 トラックバック:0 コメント:0
神霊狩で二次創作してみよう
題名:太郎の家でプラモデル
『神霊狩/GHOST HOUND』の二次創作小説
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太郎の家に入れてもらうと、いかにも日本人の家と言わんばかり和室ばかりで俺は感心してしまった。
「へーえ、太郎の部屋、わりと殺風景だねえ」
「寝るときは布団ば敷くけん、スペースあくったい」
そんなことを言って、太郎は部屋の端にある棚からプラモデルの箱を取り出した。
「あれ、そういうの作る趣味とかあるの? もしかして」
「うん。ばってんか、完成させられないままのほうが多いたい、次の新作ば買うとき罪悪感があると」
ちょっと困ったような顔をして、棚に積み上げられたプラモデルの箱を指差した。
「で、俺を呼んだのはそれを作れって言うの?」
「そうばい。 匡幸は手先が器用ごたるから、手伝ってほしか」
いそいそと俺の目の前に作りかけのプラモデルとその説明書を広げる。
「ま、いいけど。でも俺はゲームのほうが得意なんだけどねえ」
俺は説明書を手に取ると、一通り読み、ニッパーを借りてランナーから部品を切り取る。あ、このメーカーのニッパーってけっこう値が張ると思ったけど。いいもの持ってるな。
「そけ、どげんすっとよかろか?」
「これはこう」
普通に接着剤もいらない作業なんだけど。
「すごかね、 匡幸はやっぱり器用とね!」
「なにがだよ」
どこまで太郎は不器用なんだ。
「で、あれは見るわけ?」
「え……、あれって?」
太郎は意味が分からないと言ったふうにきょとんとしている。
「明晰夢とかいうやつ。見るんだろ? 夢の中で夢だって気づけるらしいじゃん」
「うん。見るばい。夢ン中って、たまさか分かるったい。死んだお姉ちゃんが出てくると、夢ち分かる。ばってん、なにができるわけでもなか。分かるだけばい」
「ふうん。お姉ちゃんねえ……」
そういえば太郎の隣の部屋、こいつの姉さんの部屋か。誘拐されたとき死んだっていう。
「毎日、夢の記録ばつけとると。起きたときに、こんレコーダーに吹き込んでる。そげんしよると、明晰夢ばいっだん見られるようになるち、前のカウンセリングの先生が言ってたけん」
小型のテープレコーダーを取り出してさらりと言ってのけたが、カウンセリング、それって十一年前の誘拐事件がまだ尾を引いてるのか。
「お前さ、いつも授業中にうたたねしてるって聞いたぜ。それってナルなんとかっていうんじゃないの?」
「あんね、今のカウンセリングの先生も言ってたんね。僕、ナルコレプシーち症状が出とるげな」
「そう」
俺はぱちぱちと部品を組み立てながら答えた。
俺も――というか俺んちも――病んでるけど、こいつもだいぶ病んでるな。普段は少しもそういうふうには見えないけど。
「足の部分だけできた。後は同じような要領で……って、寝るなよ!」
喋っているそばから太郎は舟をこぎ始め、うつらうつらと寝ていた。
「おい」
俺は太郎の頭をプラモデルの上箱で軽く叩いた。
「え、今、僕……寝とったとね? なんだか、匡幸がプラモ組んでるのば真上から見たとよ。おかしかあ」
「なんだよそれ、寝ぼけてるんじゃないの?」
「ほんなこつ、見とったよ」
真面目な顔をして返してくる。
「お前なあ」
体外離脱とかいうやつだとしたら、俺は信じないぞ。
「あ、だいぶできとっとね。がばじょっかね! これ、まるんまんま全部、作ってくれんね?」
期待に満ちた目で俺を見上げてる。子犬か、こいつは。
「こういうのってさ、自分で作らないと意味がないんじゃないの……?」
「こ、こちょばい、匡幸、やめ……。あ、あはは」
突っ込みをいれずにはいられず、横に回り込んでわきの下をくすぐってやった。
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コメント:筑後弁(久留米弁)ベースの方言が難しくて二次創作ができないという。匡幸が幸せになるといいなあ。
2008年01月15日 神霊狩 トラックバック:0 コメント:0
神霊狩/GHOST HOUND
今期で注目しているアニメは「
神霊狩/GHOST HOUND」です。4話まで視聴済み。監督は「Serial experiments lain」の中村隆太郎さんです。脚本も同じく「Serial experiments lain」の小中千昭さん。
明晰夢、ダム、廃墟、神社という私の大好きなキーワードが出てくるところがツボです。「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」という公式サイトの言葉もたまりません。
それにしても「音」がすごい。ぜひイヤホンで視聴してみてください。lainのときも思ったけど、独特な音の使い方をしてきます。
2007年11月11日 神霊狩 トラックバック:0 コメント:0