お姫さまとゴブリンの物語
児童文学『
お姫さまとゴブリンの物語
』読了。作者はジョージ・マクドナルド。百年以上前に書かれた冒険ファンタジーです。
小さなお姫さまが自分の住む屋敷の塔で不思議なおばあさまに出会います。お姫さまを誘拐しようとする地下のゴブリンからお姫さまを救うものは? そして目には見えない糸に導かれたどりついた先には?
めでたしめでたしで終わる素敵な物語でした。翻訳もよく、お姫さまの見ている世界が読んでいると目の前に現れるようで、楽しく読めました。小さくてもお姫さまらしい毅然としたアイリーン姫がとても愛らしい。塔で出会う大きな大きなおばあさま(アイリーン姫のひいひいおばあさま)の存在も最後まで謎が明かされず神秘的で印象深いです(理解できないことがあっとしてもそれはそれで楽しいもので、それもお話を読む醍醐味なのです)。やはり海外ファンタジーはよいです。
2008年05月15日 読書 トラックバック:0 コメント:0
西の魔女が死んだ
児童文学「
西の魔女が死んだ
」読了。作者は梨木香歩さん。
泣けて泣けて仕方がありませんでした。それはたぶん、私が主人公のまいと同じくして「冷たくて暗い確信のようなもの」に取り付かれていたからだと思います。まいのおばあちゃんが直感は大切だけど、それによって自滅していく者が多くいると主人公まいを諭すシーンで、私は頭から水をかけられた思いをしました。私は、自分の直感を確信するあまり、妄執に取りつかれていたのかもしれません。この本を読まなかったらどうなっていたでしょう。マイナスの方向にしかものごとを考えられなくなっていたかもしれません。
学校に行けなくなってしまった主人公まいにおばあちゃんが「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」と主人公まいに言うのですが、これにも私は救われた思いをしました。
今年読んだ小説の中では極上の部類に入ります。たくさんの子どもに読んで欲しい良作です。
2007年12月09日 読書 トラックバック:0 コメント:0
ファンタージエン 愚者の王
児童文学「
ファンタージエン 愚者の王
」読了。作者はターニャ・キンケル。舞台はミヒャエル・エンデ作『はてしない物語』のファンタージエン。
「ファンタージエンで知らぬ人のないじゅうたん織りの村シリドム。そこで生まれた少女レスは虚無から村を守るため救い主を求めて旅立った。旅の連れは青い目の猫と記憶を失った謎の男。旅の果てに少女が見いだしたものは…?」(本書オビより)
世界を救う力を持たずとも、英雄にはなれずとも、それでも世界を救うおうと必死に立ち回るレスが好きです。世界を救うため、よかれと思ってしたことが裏目に出ていくところ、仲間は頼りにならないし信用できない、そういうマイナス要因が最後に救われたようには思えないのが大変つらい。それでも、バスチアンにとってのアトレーユのように、レスの物語は、私をファンタージエンへと連れていくにはじゅうぶんすぎるくらい素敵だったのです。
2007年11月13日 読書 トラックバック:0 コメント:0
隼別王子の叛乱
十年ぶりに小説「
隼別王子の叛乱
(著:田辺聖子)」を読み返してみました。物語の舞台は古代日本。大和の大鷦鷯大王(仁徳天皇)の想い人である女鳥姫をかっさらう隼別王子のお話。姫と王子は純粋にひたむきに恋を成就させ、大鷦鷯大王に叛乱を起こすのだが……。
当時はもちろん姫と王子の視点で読んでいたのだけど、今は大鷦鷯大王の妻、磐之媛大后の視点で物語を見ています。大后が、自分が失ってしまったものへの憧憬や郷愁を、姫と王子を通してイヤというほど思い知らされるあたりとか。……年をとったということか、私も。
お話ってあとで読み返すと、感情移入する登場人物がかわるのがおもしろいですね。
2007年10月06日 読書 トラックバック:0 コメント:0
至高聖所
至高聖所(アバトーン)
松村 栄子 / 福武書店
ギリシアのアスクレピオス神殿の最奥には、眠ることによって傷を癒す至高聖所があるという。
都心から遠く離れた場所にできた広大な学園都市を舞台に、鉱物好きな主人公が、眠り続けるルームメイトの隠された寂しさを理解していくまでの心象を描いている。純文学。
まさに今、至高聖所を求めるがごとく眠いです。寝ても寝たりないのです。
2007年08月27日 読書 トラックバック:0 コメント:0
大地の子エイラ
「原始への旅立ち」シリーズが楽しいです。「大地の子エイラ 上・中・下」「恋をするエイラ 上」まで読了。ネアンデルタール人(旧人)に拾われ育てられた、クロマニヨン人(新人)の少女エイラの物語です。舞台は原始時代。
ネアンデルタール人が進化するとクロマニヨン人になるのかと思っていたら、ぜんぜんそうではなかったので衝撃を受けました。ネアンデルタール人は絶滅して、クロマニヨン人が生き残ったのでした。知らなかった。
この二つの旧人と新人が同じ時代に生きていたということ、氷河期が長く続いていたこと、狩猟の時代が長かったことなど、原始時代を生きる人たちの世界に驚きました。そうなるといろいろ知りたくなって、人類学のサイトをまわったり、身近な薬草の本などを借りてきたりなど色々やっています。
当時の生活がことこまかに書いてあって、これを全部読めばサバイバル生活できるなとしみじみ思ってしまいました。皮のなめし方や、食べられる草と食べられない草の見分け方、お湯の沸かし方、食器の用意の仕方など、すごい。完全な自給自足で生きていた時代の人たちは、本当にすごいです。
ぐいぐい惹きつけられて、読まずにはいられないとはこのことだと実感しました。読書人としてよい本に出会えて本当に幸せです。喜びを噛み締めています。
2007年08月26日 読書 トラックバック:0 コメント:0
メタフィジカルナイツ
たむらしげる先生の絵本「
メタフィジカル・ナイツ
(架空社)」を購入。最終話のロボットとシロクマの話が大好きです。10年前、はじめてこのお話を知ったときからずっと好きでした。人間の滅んでしまった後の世界で、ロボットとシロクマが話をするのです。とても悲しくて胸に刺さって離れないお話です。一生手放せない本の一つです。
2007年08月25日 読書 トラックバック:0 コメント:0